【相談内容】 

 今回も相続についてのご相談がありました。BCEからご相談頂き、父親であるAが亡くなり、そのAの相続財産を整理したいとのご依頼です。早速取り掛かり、まずは戸籍を収集して相続人の確定作業を行い下記の相続関係であることが分かりました。

 相続関係はBCDEが相続人であり、ごく一般的なものです。Aは突然死であった為、遺言書もなく法定相続となります。したがってBは6分の3、CDEは各6分の1となります。

 相続財産のうちの土地については共同相続人であるBCEからAが以前よりお世話になっていたZという人に対してお礼として土地を贈与したいという希望があります。

 共同相続した相続財産をZに対して贈与するには下記のいづれかの手続きが必要になります。

①法定相続にて登記して、全員から各持分をZに贈与する手続き。

②遺産分割協議をしB(もしくは誰か一人)の単有名義にし、B(もしくは誰か一人)がZに贈与する手続き。

 聞き取りを進めた結果、共同相続人の一人であるDは以前より精神に疾患が認められ専門的な医療機関に長期に渡り入院しているとの事です。

 この二つのいづれかの手続きを履践するのにDの協力も必要になります。Dの意思確認及び状況の説明のために、ある精神疾患の患者に対する専門的な病院にBCEと共に訪れました。

 

【結果】

 Dにお会いさせて頂き、Aの相続手続きを進めていき、最終的には当該土地をZに贈与したい旨をお伝えしたところ、Dはすぐに納得し、快く承諾してくれました。早速ですが遺産分割協議を調整し、手続き上必要になるDの印鑑証明書を取得して欲しい旨を伝えたところ、Dは「手続きに協力はするが、まずこの病院から退院させてくれ!それが条件だ!」と言ってきました。Dは以前より素行が悪く強制的に入院させられたので、早く退院したがっているのでした。Dの条件を飲み、退院させて遺産分割協議をしたいのですが、Dを引き取るところもありません。つまり、Dは改善が認めらない限り退院はできないのです。もちろん遺産分割協議もできません。

【総じて・・・】

 今回の事案も「B(もしくはCかE)に財産を相続させる」旨の遺言書があればスムーズに進めることが出来ました。自身の相続人に気になる方がいるときは、やはり遺言書の作成をおススメします。なにが起こるかわからないので、やはり元気なうちに作成するのが望ましいですね。  

「相続は、争族より想族で・・・・・・」より良い想続をお手伝いさせて頂きます。